麻布十番の「パティオ十番」と名付けられた広場に面する複合ビルである。
テナント、賃貸住戸が入る下部6層は打ち放しコンクリートの重厚な表現、オーナー住戸の入る上部2層は透明感あふれるガラスファサードが計画された。このような場合には、上層階が柔らかく地震力が増幅される問題がある。下層階はSRC造で、4本柱のラーメン構造を主体構造とし、ファサードの腰壁は建物外周の跳ね出し先端部に設けている。上層階は鉄骨造で4隅に3本ずつ12本の柱を設け、隅部では柱どうしを階の中間においても梁によって繋げ剛性を高めることで、地上階の剛性をなるべく均一化することを目指した。
建物高さと柱外面寸法の比率が4を超える建築となり地震時の転倒モーメントが大きく、杭の摩擦抵抗により転倒に抵抗する設計となっている。