公園と一体的に計画されたランドスケープとしての建築であり、屋上緑化の実験も兼ねてうねった屋根が計画された。 建物内部は、固定的な空間(シリンダー)とフレキシブルな空間から構成されており、シリンダーが主要な構造となっている。 閉鎖的な SRC 造のシリンダーと、開放的な鉄骨造の 2 種類のシリンダーを組み合わせ、平面的にバランスよく配置している。屋根は鉄骨トラス造の上部に鉄筋コンクリートスラブを設け、曲面状の屋根を形成している。 トラス梁はシリンダーから放射状に伸びる部材、それらと直交する部材による配列を基本とし、 複数のシリンダーから伸びた部材が取り合う部分を部材が均等な配列になるよう調整し、力の流れに対応し、あたかも、くもの巣のような形態となっている。 屋根は全体として緩やかな起伏を有しており、トラスの配置はその起伏に合わせ、 さらに、シリンダー付近で応力が大きくなることに対応して上弦材のレベルを変え、局部的なうねりを合理的に作っている。平面的にも高さ的にも変化していく不定形なトラスの接合部として、心材に鋼管を用い、ガセットプレートの平面角度と高さ方向の角度を変えることでシステムを考案した。
公園内の定点観測カメラの設置の目的で、高さ 20m の木造とケーブルのハイブリッドのタワーを作った。5m 毎に十字の梁を挟み込んだ4本の柱を中央に設け、 梁先端部を 25 φのケーブル 8 本で繋ぎ、頂部では 8 本のケーブルを 4 本のロッドに繋ぎ変え、これをカメラの脚となる鋼管柱の先端に集約させている。