地上6階建ての低層棟と地下2階 地上16階建ての2棟からなるホテル、事務所などを有する複合施設である。
低層棟の敷地には地下3階 地上6階建の既存RC造建物があり、既存地下構造物の撤去を最小限とすることを考えた。既存躯体の柱位置と干渉しない位置に杭基礎を配置し鉛直力を負担させた。地中部分の水平力は、新建築物の基礎と既存躯体を緊結することによって既存躯体にも負担させている。また、解体した上部構造のRCガラを既存地下躯体内に埋設し環境負荷低減を図った。
高層棟は台形の平面形状を基本とし、高さ方向に平面構成が異なっていることが特徴である。建物内部に位置するエレベーターや階段などを含んだ建築的なコアを構造コアとして計画し、柱・梁フレームの中に地震エネルギー吸収のための制振ダンパー(鋼板ハニカムダンパー)を配置している。構造コアが偏在していることを考慮し、コアと反対側の外周面の柱本数を増やして剛性、強度を確保することで、建物の偏心が小さくなるよう配慮した。柱は上下階でなるべく連続させているが、最上部のオーバーハング部分はスパン18mのフィーレンディール架構とした。