1階はRC造のピロティでスパンの大きい土木的スケールであり、2階は対照的に木造空間がイメージされた建築的スケールとなり、上下階で大きく構造形式が異なる。2階展示室は中央に立ち上がったRC壁が唯一の耐震要素であり、鉄骨部材を介して木造の切妻屋根を支えている。
屋根は福井県産のスギ材による登り梁を並列して配置するシンプルな架構とした。積雪量が1.8mという過酷な荷重条件を考慮し、登り梁を中間で支える構造方式としたが、RC壁が偏心して配置されているため屋根構造は非対称となり短手方向には三角形の部材構成を要し、木造屋根の地震力をRC壁まで伝えるために鉄骨部材を立体的に配置した。結果的に木造屋根が細径の鉄骨斜め材によって軽々と支えられる構造となった。
地盤が悪く33mの杭を採用したが、1階の柱スパンを大きくしたことで杭の本数を減らすこととなり経済的な基礎構造を計画した。