扁平な平面形状を有するRC造の集合住宅を効率的につくるには耐震壁が計画のポイントであり、特に短手方向の耐震壁を上手く配置する必要がある。耐震壁を上下に連ねることが理想的だが、建築として空間の変化が乏しくなることや1・2階での動線が制限されることになる。しかし耐震壁を自由に配置すると下階に壁が無い部分では梁に負荷が加わり梁せいが過大となる。
本プロジェクトでは建築的な意味でも重要な曲面壁を用い、壁の両端部を長手方向に1.7~2.3mピッチで配置した柱位置に合わせるというルールで計画を行った。構造的には、平面フレームとして捉えると壁がスパンの途中で終わって梁で支えられているようになり、また上下階で壁の位置がずれることとなるが、曲面として連続した壁が両端の柱で支えられるため、梁への負荷を減らすことができ効率のよいものとなる。長手方向は部屋の両端に多くの壁を設けることができ、厚さ300㎜1.7~2.3mピッチの柱を設け、柱と同厚の壁を建築に即して配置した。