RC造4階建ての店舗及び集合住宅の計画である。変化に富んだ内部空間をRC壁式構造で無理なくつくりあげるために、耐力壁を有効に利用することを考えた。耐力壁の配置は壁の軸線を上下階で揃え、軸上で開口の大きさや位置に自由度を持たせることで変化をつける。その際に、耐力壁を有効に機能させるために、壁の両端もしくは片側の端部を下階の壁もしくは直交方向の壁で支持できるように壁や開口の位置を考えた。2階以上は住居であり、外壁や廊下と部屋の境界、部屋の内部の仕切りなどを耐力壁とすることで上下階の位置は合わせやすいが、1階は店舗のためなるべく壁を少なくすることが求められ、工夫を要した。
建築計画との調整の結果、壁梁の応力負担は最小となり、基本断面は幅が壁厚と同じで梁せいは500mmとなった。居室とベランダの境界部は梁せいを250~300mmに小さくするため、梁幅を大きくして対応した。