昭和38年(1965年)竣工の築50年超えのSRC造建物の耐震改修計画である。
既存建物は整形な長方形平面で、5.4m四方のグリッドが長手7スパン、短手3スパンの架構であるが、建物中央部短手方向の5フレームは梁スパンが16.2mとなり、内部は無柱の架構となっている。加えて、1,2階に大きな吹き抜けの執務スペースを有する、特徴的な建物であった。
耐震診断結果より1,2階の耐震性能が不足する結果であったが、壁の偏在による形状指標の低減の影響が大きいことから、偏心率の改善を主とした耐震補強(壁の増設、開口閉塞)を各階、各方向で1又は2箇所行っている。
改修計画に加え、1,2階の吹き抜け部分に鉄骨造で増築を行い、地域住民が自由に使えるスペースを新設している。
増築鉄骨部は入れ子状の構造で、既存建物とはExp.Jで分離している。