香港を拠点に活動するインテリアデザイナーの別荘である。北側に傾斜のある敷地にメイン棟、ガレージ棟、温室の3つの建物が点在する。
メイン棟は1階がRC造、2階が木造である、1階の居室は書斎のみであるがエントランス下部と書斎部分が地盤面に接し、その間の11mは地盤から離れて2階部分がブリッジ状に架け渡され、さらに低地側に約6m跳ね出された構造となっている。あたかも斜面に置かれた書斎のボリュームの上に2階部分が乗せ掛けられ跳ね出された形態を表出している。跳ね出し部分はプレストレス梁を用いて軽快につくられている。2階は在来軸組工法の木造でつくられている
ガレージ棟は2階建てで、1階がトレーニングルーム、2階がガレージとして用いられている。壁式鉄筋コンクリートを用いた構造である。
温室棟は斜面に浮いたガラスボックスの建築である。4本の鋼管杭を建物の中央に設けてそこから井桁状に片持ち梁を伸ばして1階床を構成する。それぞれの外周梁の中間部に逆V字形の柱を設けて屋根の梁を支えることで最小径の柱で構造を構成している。