RC造の主体構造の上部に本棚の枠材と連続するように幅40mmの部材を放射状にずらして並べ、縦材のみで屋根構造を形成するという条件を満たすため、お互いにもたれ合うレシプロカルな構造を考えた。
勾配屋根のレシプロカルは立体構造であるために部材には曲げモーメントと軸力が生じ、軸力は接続された隣の部材の中間を水平方向に押す力となるため部材の幅に影響を与える。部材を細くするために本数を増やし頂部に近い部分で部材を相互にもたれかけさせ、圧縮リングのような効果を持たせることが必要であった。また重なる部分の梁せいは部材本数を増やすとかなり小さくする必要が生じた。応力に応じた断面寸法を決めて変断面部材とし、頂部では部材を約半分に斜めに欠き込んで組み合わせた。非対称鉛直荷重や水平力に対しての安定性確保のため屋根面を構造用合板で一体化した。
RC造図部分は壁式構造でフラットスラ部とボイドスラブを用いて構成し、目立たない構造とした。