十津川村災害対策本部拠点施設

建物正面 遠景 跳出しを支える方杖 内観 会議室の屋根トラス
建築設計 RFA
所在地 奈良県吉野郡十津川村
用途 事務所、診療所
規模 地上2階、724㎡
構造 木造
竣工年月 2023年11月
掲載雑誌 新建築2024年10月号

十津川産のスギ材を全面的に利用し、単純な仕口で架構を構成する木造架構の可能性を追求するプロジェクトであり、入手可能な部材断面の大きさと長さを調査し、柱は180角、梁は120240、長さ6mを上限としての部材構成による構造計画を立案した。在来軸組工法を基本構造とし、“菱十字”の意匠を生かして斜め材をブレースとして利用し、その効率を最大化するため鋼板挿入ボルト接合を用いた。製材を切り込んで鋼板を挿入すると材の割れを助長することを懸念し、主たるブレース構面では梁、ブレースは90㎜幅の部材を2枚合わせとしてその間に鋼板を設け、その他の部位では梁・ブレースは120㎜幅、ブレースは両側に鋼板を配した。斜め材で構成される意匠を生かして2階床梁や外周の跳ね出し梁を支える方杖を配置した。2階会議室の8.1mスパンの屋根は製材を組合わせたトラス構造とした。十津川産材の木材はJAS材ではないため、強度と含水率の確認を行って使用部材を選別し構造計算にも反映させた。