既存建物は2階の平面計画を大幅に変えることになり、屋根梁や2階梁の補強が必要となった。既存の梁を利用し、その下部に新たに木造の梁を組み合わせる方法、既存梁の横に鉄骨溝形鋼を沿わせる方法の2種類の補強を行った。 地震力に抵抗する耐力壁が不足するため、一般的な構造用合板の補強を行い、それ以外に1階の廊下や床の間などの部分には、 柱・梁の枠組みにエキスパンドメタルやアクリルを組み込んだ透過性のある耐力壁を考案し、実験で強度を確認して採用した。
新築建物は鉄骨ブレース構造で、外周に角形鋼管の柱を約 0.91m ピッチで並べ、その間にフラットバーのブレースを配置したシステムである。将来、ブレースの取り付けが予想される柱・梁にガセットプレート取付け用の穴をあけておくことにより、 ブレースは他の場所に移設可能とした。