成田国際空港至近に位置する2層のリハビリテーション病院である。平面形状は約60mx100mのユ字形で、一部はランドスケープと連続し、地盤面から屋上へ緩やかに接続する。屋上には特徴的な屋根をもつ塔屋を有す る。上下階での柱ずれや大スパン・オーバーハングを含むなど自由な空間構成を実現するため鉄骨造を採用し、建物内外に配される様々な非構造部材の地震時被害を防ぐため剛性の高いブレース構造とした。
外周には病室の目隠しとなる木ルーバーが配されている。スノコ状に下地材を配して構成するのが一般的だが、 ここでは庇から吊り下げた木板自体の曲げ剛性を活用することで下地材を省略した。板の面外方向にはさや管付きのロッドを貫通させ、その軸剛性を介して本体に力を伝達する機構とし、十分な耐震・耐風性能を確保している。互いの木板を繋ぐロッドは、万一の際の脱落を防止するフェールセーフとしての役割も有する。