ボールトをずらしながら組み合わせた屋根形態が特徴的な小学校校舎である。
短手方向は教室間の界壁を利用して耐震壁を配置しているが、長手方向は耐震壁のない構造でありボールトのスラストや地震力への対応に配慮した。4mスパンの部分を陸屋根として屋根梁を付けてラーメン構造とすることでスラストや地震力の抵抗要素とし、ボールトに挟まれた柱は長手方向を片持ち柱として扱い、ボールト部分では梁をなくした。
主なるボールトは8m×12mの大きさで、4隅を支えられたシェルとしての性状を示す。ただし、教室の界壁の鉄筋コンクリート壁がある箇所ではボールトの長辺が連続的に支えられており、この部分ではショートシェルとしてアーチと同様の応力状態となる。
ボールトのスラブの厚みは端部で200mm、中央で90mmである。