老朽化した既存校舎の一部を解体し、新たに校舎棟・屋内運動場・食堂棟・送迎バスの乗降場を建設する計画である。建物ボリュームをいくつかの棟に分節し、分棟的な配置とすることで中庭を形成する。また庇を連続的に回すことによって屋内、屋外を曖昧に連続させ、中間的な領域をつくることを意図した。
教室棟の北棟と南棟は耐震壁付きラーメン構造、それらを繋ぐ廻廊棟は鉄骨造とした。廻廊棟は、解放的な空間とするため、地震力は北棟と南棟で負担する。スロープは鉄骨の骨組みに鉄板を溶接し、水平梁の効果を持たせた。
体育館・食堂棟は下部構造をRC造、屋根を木造とした。体育館は上弦材に集成材を用いた張弦梁とし、吹き上げに抵抗するための引張材を張弦梁に組み込んだ。食堂棟はルーバーのような屋根梁という意匠のイメージから、見付け幅の狭い集成材(60x450)を600㎜ピッチで配置した。