瀬戸内海に面し、不定形な曲面体を浮かべたような建築である。 約10m~20m x 100mの歪んだ楕円平面を有する4層の建物であり、2階はメザニン、 3階はオーバーハングし、4階は5棟に分棟している。 曲面体など非構造部材の地震時被害を防ぐため層間変形の小さい剛強な構造を計画し、 複雑な建築形態を実現するため主体構造はS・RC・SRCの複合構造とした。 1~2階は短辺にRC耐震壁、長辺に鉄骨ブレースを有するSRC造で、2階床は鉄骨梁により構成している。 3階はSRC+S造のラーメン構造、4階は鉄骨ブレース構造である。
曲面体は2~3階における放射方向のずれが一定でないため捩れ面となるが、 円周方向を157分割し下地材をユニット化、多面体化することで、 同一のシステムにより特徴的な形態を実現している。曲面体は層を跨いで構成されるため、 下見張りの一部にスリットを設け地震時の変位追従性を確保した。 また、建物内部には剛な鉄骨下地材により構成した舟底状の天井を有する。