築40年のSRC造の事務所ビルの耐震改修。建物は長手方向38.3 m、短手方向23.1mのほぼ長方形の平面形状で、長手の一辺にコアを有する。長手方向はコアと反対側の外周部に鉄骨ブレースを設け、短手方向は道路側に鉄骨ブレース補強を行い反対側は腰壁にスリットを設けて靭性を向上させた。
室内の有効面積を確保するため外周部のブレースは両方向とも片持ち床の先端部に設けた。そのため鉄骨柱を床貫通させてフレームを構成した。短手方向は2スパンに補強ブレースを設け、上部の階と下部の階とで位置を変え、全体の転倒モーメントを低減して基礎への負荷を最小とした。
補強フレームを既存RC躯体との取り合い部にはディスクシアキーを用いて施工性の向上を図った。