地上2階地下2階の構成であり、一体の地下構造の中に、23.4m×35.1mのアリーナと18m×27mのプールの二つの大空間が内包された建築。アリーナ床面は地上から約9m下がったレベルにあり、アリーナを取り囲むように屋根面までの吹抜空間が設けられ吹抜に囲まれた地下大空間となっていることが特徴。地下階の形状はアリーナ、プールを包絡する矩計の組み合わせであるが、地上に現れる建築は二つの変形した楕円の平面形状であり地下階とは大きく異なっている。主体構造はRC造で、大スパン屋根、地上部の外周構造、2階を鉄骨造とし、またプール棟の一部にプレストレスコンクリート造を用いた。
アリーナの周囲に地下2階から屋根面まで連続するRC造の耐震壁付きのフレームを配置し、アリーナと外周部を含む全ての地上部の地震力はこの耐震壁で負担する設計とした。アリーナ屋根の鉄骨トラスはフランジ面が鉛直面となるような向きとし、リブプレートを最小限として合理的でかつ視覚的にもすっきりとした架構とした。建物外周部にも地下2階レベルまでの吹抜があり、1階外周部の床面を水平梁として設計することで土圧受け壁の頂部を支えて合理化を図った。