山頂に横長の設けられた橋梁のような形態の展望台であり、デッキの両側に設けられた“らせん階段”と“EVシャフト周りの階段”によって見学者の流れをつくり出している。
EVシャフトと逆V字柱を効的に利用し柱を集約してデッキが浮いているような表現を目指した。EVシャフトで支持できる部分と他の部分とをエキスパンションで分離し、EVシャフトを含む部分は下部の構造と一体となり、水平力に対して安定させる。EVシャフトを含まない部分は、短手方向は両端に2ヶ所、長手方向はデッキ中央に1ヶ所の逆V字形の組み柱によって水平力を負担する。
幅3.64mのデッキは中央のSRC造の梁から両側にスラブを跳ね出したもので、逆V字形の鉄骨柱によって支える。
内径で15.36mの大きならせん階段はRC造でつくられ、内側に手すりを兼ねたRC造の逆梁を設け、約5mのピッチで鉄骨の斜め柱によって支持した。
敷地は山頂付近の凹凸の大きい場所であり、地表面付近は不均一な地層が分布し巨大な岩が点在するという特殊性もあった。逆V字柱は負担している鉛直荷重に対して水平力が大きいため、地盤アンカーによって引張力に抵抗させた。