円弧状の平面とオーバーハングした断面形状を持つ校舎棟は、プレキャストコンクリート(PC)造で構成している。両端と中間二箇所の階段室部分は鉄骨鉄筋コンクリート造で、全体としては PC と SRC の混合構造となっている。建物の地震力を鉄骨鉄筋コンクリート造のコアに負担させることで、PC 部分の負担を軽くして部材サイズの軽減を計っている。
中央部の吹き抜け部分では、オーバーハングした片持ち構造を細かい PC 部材で構成し、PC リブの繰り返しのリズムが強調される。
体育館は、楕円形状の平面が上部に行くほど広がりを持つ断面形状で、屋根、壁ともに木造の格子構造である。屋根は木造の軽い構造を表現するため、斜めグリッドの木造格子梁とケーブルを組合わせた構造としている。屋根のグリッドは、外周の斜め柱のグリッドと合せることで、建物全体でグリッドが連続するような構成となっている。外周壁面の斜め柱は、二本の交差する部材をずらして組合わせることでディテールの簡略化を図るとともに、相互に座屈を防止しあう効果を生み出している。