昭和2年に神奈川県測候所として建てられたRC造地下1階、地上3階建ての建物の改修工事と増築工事である。
既存建物はモダニズム建築と表現主義的なモチーフやアールデコ的意匠がみられる建物である。歴史的建造物が残る横浜の山手地区に位置し、山手地区の特徴であるブラフ積みの擁壁が現存する。歴史的・景観的な価値から横浜市の指定有形文化財である。耐震補強はRC躯体断面が小さく配筋が密であることから、アンカー打設が困難であると判断し、接着工法による鉄骨ブレース及びRC壁の増設を行った。
増築棟はRC造地上2階、地下2階建ての建物で、地上階は吹き抜け部分を挟んでスキップフロアーが形成されている。既存棟外観にデザインをあわせて袖壁付柱で構成されていることが特徴である。構造はRC壁付きラーメン構造で、壁が少ないため靭性を持たせる設計とした。