建物は長辺76m、短辺66.5mのほぼ整形な平面で地上4階、地下1階の免震構造である。
地下階の書庫は平行グリッドで構成されSRC造一部鉄骨造、地上階の閲覧室は内側に楕円形のグリッドを有する鉄骨造ラーメン構造で様々な床レベルの変化にも対応させた。地下階と地上階とでグリッドの異なる部分は地上部の柱を1階梁で受けるなどで調整した。
基礎免震を用いたが鉄骨造の階の水平剛性の確保が必要で、1階では外周フレームにCFT柱をダブルで配置して剛性を確保している。
閲覧室の屋根は変則的な単層ラメラドームとその上部に屋根支持材を載せた。楕円形の平面において2方向に斜めに配置された部材によって菱形グリッドが構成された軸力抵抗型の構造である。水平の繋ぎ材が無いため三角形グリッドのドームとしての性状は発揮できず、アーチの集合体としての応力状態となり、スラストは周囲のRCスラブによるリング状の拘束効果で抵抗される。ドームの部材はアングルを角が外側となるように組合せ、見えがかりはエッジが強調されたロの字断面である。