学園の創立百周年を機に計画された複合型の教育施設である。競技に合わせた複数の体育室、柔剣道場、トレーニングセンターや700人収容の講堂の大空間が積層され、また教員研究室を内包する。
地下はRC壁付きラーメン構造、地上は鉄骨ブレース付きラーメン構造、その取り合い部分をSRC造として計画した。座屈拘束型のブレースを用いて建物の強度と剛性を高めており、極めて大きな地震に対してはブレースを積極的に塑性化させることで揺り戻しを低減し、建物の制振化を図っている。
建物長手方向は8m、短手方向は6.8mを基本グリッドとするが、体育室や講堂では27mの大スパンが要求される。応力やたわみ・振動に対する検討を行い、梁断面をあげるよりもTMDを用いることが有効と判断し、体育室の床では梁せい1.2m+TMDの構成を採用した。34mスパンの屋根では意匠的観点からトラスとしており、トラスはせい250のH形鋼を組み合わせて制作した。
建物規模に比して搬入条件が限られているため、工事段階では建方手順やジョイント位置などの検討を重ねた。