北海道士別市にある小学校であり、地場産の集成材を十分に使い明るく 開放的な校舎および体育館を作ることを目指した。
校舎は7.2m間隔で設けられた 教室間の界壁を利用して、厚さ300mmのRC造の壁柱を基礎から自立させ、屋根を集成材で構成した。 これにより南北方向に開放された空間を実現した。オープンスペースの中央部では 鉛直荷重を支持する目的で鉄骨柱(120φ)を用いた。屋根は180mm×700mmの集成材の 大梁を7.2m間隔で配置し、その間を600mm間隔で135mm×430mm集成材の小梁を架け渡して構成した。 大梁は2本を対にしてRC壁柱や鉄骨柱に挟み込むようにして配置した。自立したRC造壁柱の上に木造梁を 敷き並べる原理により、木造部材を十分に利用し、かつ接合ディテールが単純な木質構造が実現できた。 オープンスペース上部のトップライトは鉄骨造とした。
体育館は、鉄骨造と集成材のハイブリッドな梁を用い、 柱は壁面の鉛直柱と外部の2本の斜め柱を組み合わせて水平力に抵抗させるシステムとした。