山側と谷側で3mのレベル差がある傾斜地に建つ地下2階 地上3階の個人住宅である。平面形状はL型を成しており、二つの部分に分割されてそれぞれの床レベルが半階ずつずれていることが特徴である。
構造的には9層の建物として扱い、1~5層までがRC造、6~9層までを鉄骨造とし、5層部分は平面的にRC造と鉄骨造が混在したものとなっている。RC造のうち、1~3階は地下階と扱い、構造計算は地上6層(RC2層 + 鉄骨4層)の建物として行っている。
鉄骨造の部分は柱に角型鋼管と鋼管を、梁にH型鋼を用いたラーメン構造とし、RC造の層は耐震壁を十分に有する強度型の構造とした。このように高さ方向に剛性や崩壊形が異なる構造で構成されているため、剛性率の算定やDsの算定、保有耐力算定時の外力分布などに留意して設計を行った。時刻歴応答解析による設計の妥当性の確認も行いながら、全般的に必要保有水平耐力の2倍程度の保有水平耐力を有する建物となっている。