体育館が教室群に内包される平面構成をもつ2階建ての小学校である。
建物外側にある教室ゾーン、内側の廊下部分を広くした共用ゾーンが体育館アリーナをコの字形に囲む平面構成である。
教室ゾーンは鉛直材として壁及びこれと同厚の扁平柱、水平材として中空スラブ及びスラブと同厚の扁平梁という板状部材を使用することで、スペースの有効活用や水平ラインを強調するデザインとしている。扁平梁は2.4mピッチに設けられた鋼管柱により支持されている。建物全体の水平力はこのゾーンが負担しており、壁及び扁平柱は耐震上バランスよく配置している。
43mx48mの木造屋根は、一方向木造トラスを2.4mピッチに配し、アリーナと共用ゾーンを覆うように架けている。ひとつのトラスの支持点は計4箇所設け、中央24mスパン、両側各々7.2mスパンであり、さらに外側に2.4mはね出す。トラスはカラマツ集成材の上下弦材及び束材と丸鋼のラチス材により構成している。接合部は金物とボルトによるが、木部の支圧とボルトのせん断抵抗を利用しコンパクトなディテールとしている。